みなさん、こんにちは。歯科医師の佐藤宏樹です。
今回は「お口の健康と全身の健康の関係」についてお話ししたいと思います。
「歯医者は虫歯や歯周病だけを診るところ」と思われがちですが、実はお口の健康は全身の健康にも大きく関わっているんです。
1. 口腔内の健康が全身に与える影響
お口の中は全身とつながっているため、口腔内のトラブルが体全体に影響を及ぼすことがあります。
例えば、歯周病は単なるお口の病気ではなく、さまざまな全身疾患と関係があることが分かっています。
代表的な例
糖尿病
歯周病があると血糖値のコントロールが難しくなり、逆に糖尿病があると歯周病も悪化しやすくなります。
心臓病・脳梗塞
歯周病菌が血管に入り込むことで、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞のリスクが高まることが報告されています。
誤嚥性肺炎
高齢者の方では、お口の中の細菌が誤って肺に入ることで肺炎を引き起こすことがあります。
2. 全身の栄養状態と口腔内の関係
実は、全身の栄養状態はお口の健康とも密接に関係しています。
栄養バランスが崩れると、歯や歯ぐきの健康が損なわれやすくなります。
ビタミンCが不足すると、歯ぐきが弱くなり出血しやすくなります。
カルシウムやビタミンDが足りないと、歯や骨がもろくなります。
タンパク質不足は、傷の治りを遅くし、感染症にかかりやすくなります。
つまり、体の健康を支える十分な栄養が、お口の健康も守っているのです。
3. 栄養補給で体もお口も健康に
毎日の食事で必要な栄養をバランスよく摂ることが理想ですが、忙しい現代社会ではなかなか難しいこともあります。
そんなときは、サプリメントなどで足りない栄養素を補うのも一つの方法です。
ビタミンCやビタミンD、カルシウム、プロバイオティクスなどは、歯ぐきや歯の健康維持に役立つとされています。
ただし、サプリメントはあくまで補助的な役割です。基本は食事と日々のセルフケア、そして定期的な歯科受診を心がけましょう。
栄養状態が整うことで、体全体の免疫力も高まり、お口のトラブルも予防しやすくなります。
ご質問や気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください!